ふるさと納税を100倍にした九州男児の手腕 焼き物の街を蘇らせた有田まちづくり公社
――有田町の強いコンテンツとはどんなもの?
実は有田町って有田焼だけじゃないんですよ。糖度20を超える金柑や、名水を利用した棚田米や日本酒、牛・豚・鳥など豊富な農産物に加えて、トロトロの温泉、さらにまるで天空の城ラピュタのような雲海が現れたり、美しく神秘的な有田ダム、そして伝統的建築物が並ぶ町並みなど素晴らしいものが山ほどあります。名水や紅葉、ホタルや棚田など日本百選がこの小さな町に12もあるのです。ありとあらゆる癒しが凝縮してギュッと縮まっている、そんな町です。
――有田の強いコンテンツをどうやって収益化するのですか?
まず、最初に取りかかったのがふるさと納税です。町役場、商工会議所と連携して、2014年は年間300万円ほどだったのが、2015年は始めてから4ヶ月で100倍の3億円にまでなりました。ポイントは、普通はインターネットでは買えないようなものをお礼の品としてチョイスしたことです。また、コンシェルジュサービスとして、カスタマーサポートを設置し、お客様の声を伺える環境を整えました。自分達でできるおもてなしを徹底的にやり、改善に改善を重ねていったことが数字に繋がったのだと感じております。
今後、人口減少時代の中で、コストを削減しながら町をコンパクトに経営していく必要があります。若者は18歳まで地方で育ちますが、その後、大半が都会に出ていきます。地方で仕事を作るためにもITをどう活用していくかが課題で、ふるさと納税はまさにITを活用したケースでした。なので、有田まちづくり公社としては、まずふるさと納税を成功させるのが肝だと思っていました。
幅12メートルの巨大壁画に挑戦
――ふるさと納税以外の新しい取り組みは?
2016年4月にオープンするKITTE博多に隣接のJRJP博多ビルに、新しいスターバックスの店舗ができます。その店舗に、幅12メートルの有田焼の壁画を飾ってもらう予定です。
この壁画は、380枚のタイルで構成されていて、コーヒーの樹という有田焼には珍しい図案が描かれています。スターバックスでは近年、その土地の文化や歴史へ敬意を表し、その土地由来の素材を使用した家具や、その土地にゆかりのある伝統工芸を設置し、店舗デザインに取り入れています。
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