日本一地味な村、阿智村に人が殺到するワケ 長野県の温泉地はこうして蘇った!
いま、長野県の小さな村に大勢の人が詰めかけている。長野県阿智村「日本一の星空ナイトツアー」だ。ほとんど無名の温泉地だった阿智村のナイトツアーは、2012年の開始からたった3年後の2015年には年間6万人もの人を呼ぶ「人気スポット」に様変わりした。
いったい何が起きているのか?『そうだ、星を売ろう』(KADOKAWA)でも阿智村を紹介した永井孝尚氏が、その成功の秘密に迫る。
2015年7月のある夜。私は南信州のスキー場にいた。標高1400mなので夏とはいえ肌寒い。その場所には、1000人を超える観光客が芝生に座ったり寝転んでして、何かを待っていた。会場は強力なサーチライトで照らされていた。
6万人が見つめる「満天の星空」
「では、隣の人と手を握り合って空を見てください。……5、4、3、2、1、……」
「ゼロ」
のかけ声と同時に、サーチライトが一斉に消された。するとまるで分厚いカーテンがサッと開けられたかのように、満天の星空が頭上に現れた。
「うわぁ〜」「素敵!」「キャァ!」
1000人から一斉に大きな歓声が上がる。なかには感動のあまり泣き出す女性客もいた。
ここは長野県にある南信州・阿智村。阿智村の「日本一の星空ナイトツアー」には、2015年は6万人もの観光客が集まった。「観光立村」を掲げる阿智村の中心地である昼神温泉には、温泉旅館が20軒ある。どこも全国から星空ナイトツアー目当ての観光客が集まり、定価販売でもあっという間に空きが埋まるほど盛況だ。
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