そのメールにあった英文がこちらです。
「月曜日の朝までに、私のスピーチ原稿をチェックしていただけますか」という意味にしたかったのだと思いますが、これでは「月曜日の朝までずっと、私のスピーチ原稿をチェックしていていただけますか」という意味になってしまいます。
よくある間違いなので、さすがにジェーンも気が付いて、He means he wants it back by Monday morning, right? (月曜日の朝までに返してほしいってことよね?)と聞きに来ました。
「すぐ終わると思うから、私が添削するわ。でも、彼の言いたいことがわからないところだけ、一緒に見てくれる?」と言い残して席に戻り、さっそく取り掛かっていました。
タロウさんの間違いは、untilという前置詞。これは「~までずっと」という継続状態を表すのです。今回のケースは「~までに」という期限を述べなければいけませんので、byという前置詞を使います。どちらも「~まで」と訳されるので混同する方が多いのです。
(月曜日の朝までに、私のスピーチ原稿をチェックしていただけますか)
たとえば、Can you finish this report until 5:00? のように、継続するのが不可能な動作と一緒に使った場合には、明らかに意味がおかしいので、間違いだと気が付くでしょう。「5時までずっと、このレポートを完成させ続けて」と言われても、完成するのは一瞬の動作で、「終わり続ける」ことは不可能ですから間違いだと気づきますよね。
byとuntilが誤解を招くケース
ところが、継続することができる動作と一緒に使うと、文としては意味が通じてしまうことがありますので、気をつけましょう。次の例を見てください。みなさんは、次の2つの文の意味の違いがわかりますか。
I will be in the office by 3:00.
until 3:00は「3時までずっと」という継続を表しますので、初めの文は「私は3時までオフィスにおります」という意味です。3時になったら外出してしまうのかもしれませんね。
by 3:00は「3時までに」という期限を表しますので、2つ目の文は「私は3時までにオフィスに戻ります・来ます・行きます」という意味です。3時になったら外出先から戻ってくるということかもしれません。このようにまったく反対の意味になってしまいますので、気を付けてください。
I will be in the office by 3:00. (3時までにはオフィスに戻ります・来ます・行きます)
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