「Gemini 3の登場でコンサルの危機?」AI時代でも必要とされるコンサルの特徴

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凡庸なコンサルタントは、クライアントからの依頼を「オリエンテーション」として受け取り、その要望を叶えるために動きます。「システム基盤を刷新したい」と言われれば、システム設計に入り、「中期経営計画を作りたい」と言われれば、経営陣へのヒアリングを始めるといった形です。

一見、これは真っ当な仕事の進め方に見えます。しかし、この「相手の言うとおりにする姿勢」こそが、実はAIと同じ立場に自分を置いてしまっています。なぜなら、AIもまた「与えられた目的に対して最適解を出す」ことに特化しているからです

クライアントが「これをやりたい」と言った瞬間、その目的に従って動くコンサルタントは、AIと競争する土俵に立っています。そして、その土俵では、いずれ人間はAIに勝てなくなります。AIの方が速く、正確で、疲れないからです。

もちろんコンサルティング業に限らず、広告代理店であれWeb制作会社であれ、クライアントがやりたいことを支援するからこそお金がもらえます。最終的にはクライアントが喜んでくれるからこそ、仕事が続くのです。クライアントに寄り添った提案ができなければ、仕事になりません。

だからといって言われるがままに仕事をしていたのでは、AIに勝てません。ここに外部から支援する立場としてのジレンマがあります。では、どうすれば良いのでしょうか。

「オリエンをひっくり返す」という根源的な価値

私がコンサルティングをやっていた時代によく上司に激怒されました。

相手の言うことを鵜呑みにして何の付加価値があるんだ。オリエンをひっくり返せ!相手の目的設定や課題認識含めてひっくり返してこい!

こんなことを言われたものです。

クライアントのやりたいことを実現するのが仕事だと思っていた私には、衝撃的な視点でした。上司いわく、「相手の頭の中にあることを実現したって、そんなもん他社にだってできる。頭の中にないことを提案して期待値を超えろ」ということです。

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