「花を少し短く切ったり、生ける角度をちょっと変えたりしただけでも、立体感がすごく違って見えます。生け花の楽しさと奥深さを感じられました」(あやなさん)
「決まったところに花を生けるというルールがあるのに、自由もあって、人によってまったく違う作品ができる。そう先生が言っていましたが、本当にその通りだなって思いました」(あかねさん)
2人はうれしそうに、自分たちで生けた花を手に帰っていった。実はこの日、歌舞伎町のコンカフェで働く人も参加予定だったが、2日酔いのため急きょ欠席に。そんなところに歌舞伎町らしさを感じる。

飲食店勤務の男性が生け花を始めた理由
すぐ隣のスペースでは、3名が参加して「生け花交流会」が行われている。雑談をしながら生け花を気軽に体験できるイベントで、増野さんの弟子であり、生け花歴20年の高野淳雪さんが主宰している。
非常に砕けた雰囲気で、おしゃべりをしながら、何とお酒を飲みながらでもOKなのだそう。
この日の参加者は、男性1名と2名の女性。男性は渡邉さんといい、初心者だと話す。
経験者の女性たちと対照的に、渡邉さんが慣れない手つきでハサミを動かしていると、「その持ち方だと血豆ができちゃいますよ」と高野さんのアドバイスが飛ぶ。
渡邉さんは飲食店向けにカラオケ機器の営業をしており、3年連続で社内トップの成績だという。そんな人が、なぜ生け花を体験してみようとしたのか。
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