歌舞伎町あずま通りの中ほど。立ち並ぶキャバクラやガールズバー、ホストクラブなどの看板のなかで、かわいらしいクマのイラストが目を引く。カラフルな色彩、丸文字で書かれた店名。水商売専門の不動産屋「みずべや」だ。
みずべやの事業は賃貸不動産業。ただし、水商売で働く方に特化している。彼ら彼女たちのなかには、保証人がいない、借金がある、などいわゆる“ワケあり”の方もおり、一般向けの不動産屋では部屋が借りられないことも少なくない。みずべやは、そんな人々の部屋探しから入居までを支援しているのだ。歌舞伎町ならではの業態だと納得させられる。
人気はタクシーで1500円の物件
取材でお邪魔したのは午前10時。白を基調とした清潔感のある店内に、まだお客さんの姿はない。出迎えてくれた代表の岡さんは、礼儀正しく、柔和な青年といった風貌だ。
「10時から20時まで営業しているのですが、この時間はお客さんがほぼいないんです。皆さん、水商売の方たちなので、出勤前の夕方くらいに来ることが多いですね」
同店では通勤の利便性から、歌舞伎町までタクシーで1500円圏内の物件を多く扱っている。希望条件として多いのは、家賃12万~13万円ほどのワンルームマンション。なかでも独立洗面台つきと、ペット可が人気とのこと。とくに一人暮らしの女性は、チワワやトイプードルを飼いたいという人が多いそう。なぜか猫よりも犬が人気なんです、と岡さんは話す。
みずべやの独自サービスとして、お客さんが働いている店舗をスタッフが訪問し、その場で条件を聞いたり、物件の検索・紹介を行ったりもしている。電気やガス、水道の利用手続きの代行をすることも。まさに至れり尽くせりだ。
何より大きな特徴は、ワケありの方であってもほとんどが入居できること。
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