日産復活の切り札になるか/次世代「プロパイロット」の性能に驚愕/AIが変える自動車産業の構造

「これはスゴイ……」
9月の中旬、東京都内で日産自動車がメディア向けに試乗会を開催した。試乗会といっても主役は新型車ではない。日産が2027年度に投入予定の次世代プロパイロットという運転支援技術の体験が目的だった。
プロパイロットは日産の高度運転支援機能の名称だ。2016年に中型ミニバン「セレナ」で初搭載され、当初は高速道路の単一車線での自動制御機能、いわゆるACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)だった。2019年には同一車線内でハンズオフと車線変更を可能とするプロパイロット「2.0」へと進化、搭載車種を拡大している。
第3世代に当たる今回は2027年度の国内市販車への搭載が計画されている。現時点でのシステム構成はカメラを11個、センシングに電波を使うレーダーを5個、レーザー光を使うLiDAR(ライダー)を1個搭載する。2.0ではカメラ7個、レーダー5個、ライダーは使っていなかった。
ただし、次世代の最大のポイントはハードにはない。イギリスのAIベンチャー・Wayve(ウェイヴ)社が開発した「Wayve AI Driver」というソフトウェアを新たに採用した点にある。同ソフトが11個のカメラによる周囲の情報を10分の1秒単位で処理、次に起こることを予測することで「熟練ドライバーのような運転を可能にする」とうたう。
うたい文句に偽りなし
試乗車は電気自動車(EV)「アリア」で、ライダーは3Dプリンターで作った部品で装着するなどしたテスト用の車両だ。運転席には日産の自動運転開発のトップである飯島徹也氏が座り、記者が助手席と後部座席に乗るという同乗試乗で行われた。
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