日産「セレナ」発売1年、なぜ存在感が薄いのか e-POWERとプロパイロット2.0がもたらす価値
日産自動車(以下、日産)「セレナ」は、昨年2022年11月にフルモデルチェンジし、6代目となった。発売当初は、ガソリンエンジン車のみの販売で、日産独創のシリーズ式ハイブリッドであるe-POWERの車種は、2023年春からの発売であった。このため、媒体向け新車試乗も6月に入ってからの開催となった。そんな日産のミニバン「セレナ」が発売して1年を振り返る。
セレナの販売台数について
日産では、小型ハッチバック車の「ノート」がe-POWERを搭載してから人気が急上昇し、ミニバンのセレナもe-POWERが販売を支えているといってよい。日産自動車の広報によれば、e-POWER対ガソリンエンジンで、販売比率は7:3になっているという。ガソリンエンジン車に遅れてのe-POWER車発売は、新車販売台数の推移に影響を及ぼしたといえるだろう。
一般社団法人日本自動車販売協会連合会の乗用車ブランド通称名別順位を振り返ると、1~3月のあいだは18~19位の成績で、前年1~3月の8~10位から大きく後退している。新型となったにもかかわらず順位を大きく落としたのは、e-POWERへの期待がいかに高いかの証しではないか。事実、e-POWERが追加となった春以降の4月には9位、5月には7位と一気に順位を挽回した。一方で、その好調ぶりは必ずしも安定的ではない。
2022年の1~6月に、セレナは競合となるトヨタの「ノア/ヴォクシー」を上まわる成績を残していた。ところが新型投入後となる今年1~6月では、その2車種に先行を許している。それでも、販売台数自体は昨年を上まわっている。
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