
「夜の街」と「花」は切っても切れない関係だ。店舗の開店祝いや周年祝い、キャストの誕生日祝いなどで贈られたきらびやかな花の数々は、歌舞伎町の風景の一部となっている。
だがそれ以外にも、花に関わりの深い場所が歌舞伎町にある。100年近い歴史を持つ生け花の流派「いけばな雪舟(せっしゅう)流」の教室だ。
異色の「生け花教室」をのぞいてみた
とある土曜日の午後、歌舞伎町にあるメンズコンセプトカフェ(コンカフェ)で、意外な催しが行われていた。
「生け花は正面からの見た目をキレイにします。フラワーアレンジメントは365度どこから見てもキレイにする。それが一番の違いです」
「花器が舞台だとしたら、主役の花が主演俳優。ほかの花が脇役や大道具になって、主役が最もキレイに見えるようにします」
「長い茎は後から短くできますが、一度短くしてしまうともう長くできないので、気を付けてください」
次期家元・増野光晴さんが、参加者のあやなさんとあかねさんに生け花の指導をしている。会社員だという2人はこの日、生け花教室の体験で訪れていた。増野さんの手ほどきを受けながら、用意された花の茎にハサミを入れ、慎重に剣山に差していく。

いけばな雪舟流の生け花には型があり、どの花をどの場所に差すか決まっている。そのため、初心者でも迷わずに完成させることができるのが特徴だ。約1時間後、2つの見事な生け花ができあがった。2人は目を輝かせて感想を口にする。
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