有名大学出身のエリート新入社員→手が付けられないほど"モンスター化"の「なぜ」。彼のやる気を削いだ上司の言葉とは?
彼ら彼女らの特徴は次の3つだ。
(1)最初は誰よりも積極的に手を挙げる
(2)うまく評価されないと急速にトーンダウンする
(3)"自分は期待されていない"と察すると、態度が180度変わる
アピール自燃人は、適切にマネジメントすれば組織の起爆剤になる。しかし扱いを間違えると、最悪の結果を招くことになるだろう。
例えば有名大学出身のTさんは、入社初日から意欲満々だった。配属先の上司が同じ大学出身だと知ると、さらに目を輝かせた。
朝は誰よりも早く出社し、夜は最後まで残った。会議では積極的に発言し、新しいアイデアを次々と提案した。同期社員が、
「お前、なんでそんなに頑張ってんの?」
と茶化しても、お構いなし。上司への報告も欠かさず、指示されてもいないのに毎日の報告に加え、週次レポートも自主的に提出した。「認めてもらいたい」という思いが、すべての行動に表れていた。
最初の3カ月は順調だった。上司も「空気が読めないところがあるが、やる気があっていい」と評価していた。実際に、Tさんが企画した社外イベント案が経営会議を通過。秋の大型イベントのテーマとして採用された。
「新人のアイデアがこれほど大きなイベントのテーマに採用されたことは過去にない。わが社の将来は明るい」
社長がそう朝礼で話すほどだった。上司に「社長が褒めてたぞ」と言われ、Tさんの自信はさらに深まった。しかし、問題は4カ月目から始まった。
「みんな平等だから」は許されない
Tさんは「アピール自燃人」だ。上司から声をかけられたらすぐ火がつき、積極的に行動する。しかし承認欲求が強すぎるがゆえ、成果を出したら「評価」や「感謝」を欲しがることも忘れない。
しかし、そのTさんが慕っていた上司は典型的な「平等主義者」。常に「みんなを平等に扱わなければ」という信念を持っていた。「Tさんはよくやってくれるが、他のメンバーの手前もある。Tさんばかりを褒めるわけにはいかない」と考えていたのだ。
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