優れたリーダーとは「気くばりができる人」です。これまで、ビジネスは上意下達。上司が決めたことを部下が実行していれば成果は出ていました。
ところが、いまは顧客ニーズが複雑化した影響で、顧客の接点に近い、現場のメンバーが細かいニーズを吸い上げなければ成果が出なくなったのです。つまり、リーダーは、現場のメンバーが最高の環境で働くことができるように「気くばり」するのが仕事なのです。
本稿では、カルチュア・コンビニエンス・ クラブをはじめ、数々の会社で代表取締役を務めた柴田励司氏が、新刊『リーダーの気くばり』より中間管理職としてリーダーが上司に考えるべき「気くばり」について解説します。
だいたいの会社では、上司というのは忙しい状態にあります。
忙しいので、たとえば1週間前に上司から、こういうことをちょっと調べておいてねと言われてそれを持っていったとしても、上司は、1週間前にお願いしたことを忘れている可能性があります。忙しいので上司の頭はいろんなことが上書きされていくし、状況が変わっていることもあります。
上司への報告を工夫する
忙しい上司に対して、効果的な話し方があります。
「そもそも何が問題で、これを決めてほしいのですよね」
「決めるにあたっての論点はこういうことですよね」
「選択肢がA、B、Cとあります」
「その中で私はAが一番いいと思います」
「なぜならば……」
と、こういう順番で言ってもらえると。聞く側(上司)としてはものすごく助かるのです。これは、意思決定者が必要な5つの流れというストーリーです。
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