「君には無限の可能性がある」と言われて素直に喜ぶ人が知らない、ビジネス用語のブラックな意味

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浮き輪をつけた人物
「君には無限の可能性がある」。上司の言葉の裏に隠された真意とは(出所:istock)
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「君には無限の可能性がある」と言われて、「上司・先輩から期待されている!」と素直に喜んではいけない場面があることを知っていますか? ビジネスの場で語られる言葉を、額面通りに鵜呑みにはしてはいけません。
早稲田大学ビジネススクールで長年教鞭をとってきた山田英夫教授は、『図解 ビジネス版 悪魔の辞典』のなかで、ビジネスワードの「本当の意味」を解説しています。この記事では、社会人経験が長い人も、そうでない人も知っておきたい「ビジネス用語の黒い真実」をお伝えします。
【無限の可能性】
意味:限りなく今がゼロに近い人を激励する言葉。

私はビジネススクールで授業のたびに毎回レポートを出し、それを毎回採点して返却していました。評価はABCFで、Fは不合格で、Fを3回取ると単位はなしになります。Fが2回つくとアラームを出すのですが、そのときに、次のような言葉を使ったことがあります。

「君には無限の可能性があるから、頑張れ」

F評価連発でも「無限の可能性」?きれい事か本音か

見放しているように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。誰にだって無限の可能性があるのです。実際、私が若い頃、入学直後に2回連続Fを取って崖っぷちだった学生がいましたが、その後猛勉強して、修了時は成績トップで総代になった例があります。

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「無限の可能性」という言葉は、上司が若手に対して言う言葉です。若手が上司に向かって言ってはいけません。同様に、「伸びしろ」という言葉も、上司に向かって使ってはいけません。さすがに、上司に向かって、「××さんは、伸びしろありますね~」と言う猛者はいないと思いますが。

【2025年4月19日15時20分追記】初出時の表現を上記のように修正しました

よく間違えられる言葉が、「お疲れ様」と「ご苦労様」です。「お疲れ様でした」は、目上の人にも使うことができますが、これを「ご苦労様」と言ってしまう若者がいます。

ご苦労様は、豪邸に住む奥様のような方が、庭を美しく整備していただき、お世話になった庭師のような方に、「ご苦労様。お茶でもいかがですか」というときに使う言葉です。逆に、庭師が仕事を終えて帰るときに、奥様に向かって「ご苦労様」と挨拶したら、たぶん出入り禁止になってしまうでしょう。

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