アドビの新事業育成メソッドが秀逸だった 日本企業も学べるKickboxという仕組み

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赤い箱の中身で注目されるのが1000ドルのプリペイドカード。個人が上司の承認などを必要とせず、自由に使うことができる「イノベーションのための資金」だ

「無駄になるといっても、たかだか1000ドルぽっち。盗むかも知れないと言うが、アドビは自分で雇った社員を信頼できないのか?」

実際に、これまで1000ドルを無駄遣いしたり、盗んでしまった人はいなかったという。その上、1000のアイデアを試して顧客に見せる方が、実際に部門として動いて20のアイデアを作り上げるよりも安上がりだった。分散してイノベーターに、自分でプロジェクトを進めさせたほうがよかったのだ。

イノベーションを起こすための6つのステップ

Kickboxの中には、イノベーションを起こすための基本的な説明書が同梱されている。ここには、6つのステップで、必要なものの説明が含まれているという。それは以下のとおりだ。

レベル1 :きっかけ

問題解決をしたい。自分自身がやりたいからやる。自分なりの理由があればよくて、それが重要。これは個人的なことであるから、誰かに公開したり、共有する必要はない。しかし強い動機が必要。

レベル2 :アイデア化

Kickboxを使う人には、アイデアがある。だからそれをアイデア化するプロセスを教え、美しく失敗できるようにし、その失敗を許さなければならない。2000、3000の失敗からひとつの最良のアイデアが見つかる。観察し、疑問を持ち、関係性を見出し、人と人を結びつけ、実世界で実験をする。

その後のプロセスは以下のとおりだ。

レベル3 :改良

アイデアをひとつの文(禅・ステイトメント)に収め、隣人に話し、フィードバックをもらう。その上で、ステイトメントを改良する。

レベル4: 調査

定性的、定量的な有効性の検証を行う。

レベル5 :抽象化

どうすれば、アイデアの仮説の価値が高まるか。どんなデータが有力か。費用が底をつく前に、どうすれば有力なデータを集められるか。

レベル6 :浸透

その様にアイデアを説明するか、どのようにまとめるか。誰に説明するか。成功すれば予算が付くし、失敗すればあなたは何かを学ぶ。どちらも勝ちだ。

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