アドビの新事業育成メソッドが秀逸だった 日本企業も学べるKickboxという仕組み
10月5日からの日程で米国のロサンゼルス・コンベンションセンターで開催されたAdobe Max。「クリエイティブの祭典」と呼ばれるこのイベントには、アドビシステムズのクリエイティブアプリケーションの最新版が披露され、クリエイター同士の発想やテクニックに共有が行われる、非常に刺激の多い場だった。(Adobe Maxのレポートはこちら『先進的デザイナーは、モバイルで制作を行う』)
アドビシステムズのプレゼンテーションは非常に特徴的だ。同社のアプリケーションに搭載されている機能を、デモしながらアピールするスタイルが採られており、その中には必ずあっと驚く要素が含まれている。これを「Adobe Magic」と呼んでおり、魔法にように、実現したかったことや、これまで考えられなかったことを実現するのだ。
「Adobe Magic」とは?
今回の貴重講演で筆者の印象に強く残った「マジック」は、ビデオ編集ソフトAdobe Premiere Proでは、もともと映像よりも長いBGMを自動的に、しかも音楽的に自然に編集し、映像の長さに合わせてくれる機能だ。また、iPad Proで行われていたPhotoshop Fixでは、人の顔を自動的に認識し、目や口の表情、輪郭をタッチ操作で変化させ、たとえば、しかめっ面を笑顔の写真に変えることができる機能も、「マジック」である。いずれもAdobe Creative Cloudを契約すれば、すぐに手元のデバイスで再現できる、手の届く魔法だ。
こうした新しいアイデアのいくつかは、アドビシステムズが社内に持つ、イノベーションを作り出す仕組みによって生み出されているという。その秘密について、プロジェクトを主導するアドビシステムズのクリエイティブ担当副社長でチーフストラテジスト、マーク・ランドール氏が説明した。
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