「貯金してたのに…」「認知症が進んで、最期は…」高齢者施設の選び方・入居の"意外な落とし穴"「お金さえあればなんとかなる」の大誤算

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高齢者施設は、介護度や医療対応の有無、サービスの充実度、そして費用面等を鑑みて選ぶことになりますが、気をつけておきたいのは「退去要件」です。

多くの施設には、入居条件が決められています。

とくに自立型の施設では、対応できない病気になったり、重度の認知症になったり、あるいは費用が払えなくなったりすれば、退去を迫られる場合もあります。

お金をためて理想的なサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)に入ったのに、認知症が進んで別の施設に移らなければならなくなった……というケースは十分ありえるのです。

「どの程度の状態になったら退去しなければいけないのか」「費用は将来にわたって支払っていけるのか」入所前に確認しておくことが必要です。

意に沿わない施設で、拘束を余儀なくされるケースも…

とはいえ、転居先が決まらない入居者をいきなり放り出すわけにはいきませんから、実際には施設のケアマネージャーなどが次の施設を探してくれることになります。

しかし、費用の安い特養(特別養護老人ホーム)や老健(介護老人保健施設)は、空きがなくそう簡単には入れないことも。なかには数年待ち、数百人待ちというケースもあるようです。

民間施設の場合は、介護度が高くなれば利用料金も高額になる傾向のため、老後資金計画が大きく変わってしまうこともあります。

また、同じような料金設定でも、「施設の質」はかなり違います

そのうえ本人の判断能力も衰えてしまい、施設のミスマッチも起こり得ます。

認知症の周辺症状が激しい場合などは、やむを得ず拘束を行う施設もあり、寝たきりによる褥瘡(床ずれ)が起こり、かわいそうな状態になってしまうことも……。

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