【大阪・関西万博】タクシー業界も呆れる万博協会の後手対応 利用者不在の頑なな方針が招く“交通アクセスの大混乱”

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万博が他の国際イベントと異なるのは、半年間という長期スパンでの開催になる点が挙げられる。当然ながら大阪に住む人々の通勤や交通渋滞などの兼ね合いも含めて検討が必要となる。

一昨年をピークに、大阪もタクシー不足の状態に陥っていた。それが今では台数も回復し、新大阪やなんばなどの主要駅では手持ち無沙汰な様子のタクシードライバーを見かけるようになった。なんばで利用したタクシー運転手の意見は説得力を帯びていた。

万博効果はあまり期待できない?

「たぶん、万博でお客さんが大幅に増えると思っているドライバーはいないんじゃないかな。大阪に住んでいても万博の話題が上がることはほとんどないから、私達も自然とそう思ってしまう。今はタクシーもずいぶん増えたことで、正直稼ぎはだいぶ落ちてますよ。盛り上がってくれるといいんだけど、期待はしてへんわ」

3月上旬に関西国際空港に足を運ぶと、平日の日中にもかかわらず忙しなく動く長距離タクシーの列があった。関空タクシー運営協議会の報告書によれば、2024年2月度の空港専用タクシーの輸送回数は約6万回。これはコロナ禍前の3割増に当たる数字だ。聞き込みをしていくと、「体感的には今年はさらに10%程度多いのでは」と話す運転手もいた。

その背景について、空港を拠点とする安田さん(仮名・50代)はこう分析する。

「はっきり言って利用者の8割強が外国人の方です。日本人はせいぜい1割もいたらいいほど。その大半が市内のホテルに直行の上客ばかり。つまり外国人さまさまなわけ。そもそも万博来場者は9割近くが国内の人と予測されるとニュースで見た。我々は外国人頼みだから、万博が開催されて多少賑わおうが、これ以上増えるかは疑問だよ」

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