交通インフラに関しては、タクシー乗り場1つとっても、その対応には強い批判が集まっていた。会場となる夢洲乗り場は、現在49両分の待機場が予定されている。これらは協会が発行する入館証を取得した車両のみが利用可能だ。
しかし、乗り入れの際の降車場へのタクシーにも「事前に講習を受けたうえで取得する入館証が必要だ」と万博協会は主張してきたのだ。
これに対して大阪タクシー協会は猛反発してきた。仮に降車のみの場合でも入館証が必要となるのであれば、タクシーで来場する一般客は車両を把握していないために、大層使い勝手が悪いものとなると指摘されてきた。
万博協会とタクシー協会の攻防は数カ月に渡り続いてきたが、「3月中旬時点でいまだ乗り場の運用ルールは正式に発表されていない」という企業もあった。なぜこれほど万博協会の対応が頑なだったのだろうか、という疑問はいまだ残っている。

直前になっても情報が降りてこない
市内の中堅タクシー会社の役員はこう嘆息するのだった。
「タクシーに限らず、万博運営全般に伴う対応が全て遅すぎる。利用者視点というのが根本的に欠けています。我々は当然、万博に向けてシフトや人員を組もうとします。ですが、直前でも読めないため準備もできないしどうにもならない。
一方で、決して優先順位は高くなく、未知数な部分もある日本型ライドシェアだけは頑なに進めてようとしてきた矛盾がある。開幕が迫った今の時点ですら我々に降りてくる情報はかなり限定的。恩恵が生まれるイメージはとても持てません」
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