大阪交通事情、「55割」の次は空飛ぶタクシー? 「タクシーの現場はカオス」 ②大阪編

ここではノンフィクションライターの栗田シメイ氏が、東京・成田と大阪という、今のタクシーを象徴するエリアを取材。第2弾では2025年に大阪・関西万博の開催を控える大阪について、最新事情をリポートする(①東京・成田編はこちら)。
「55割」から「500円タクシー」まで多彩

全国的に見ても、大阪のタクシーは独自路線を歩んできた地域だ。
例えば通称「55割」と呼ばれた、5000円超過分は5割引となる遠距離割引が2023年5月まで約20年、多くの会社で実施されていた。かつては格安の「500円タクシー」の存在など、初乗り価格にもかなり幅があった。近年では中国資本の複数のタクシー会社も現れている。
そんな大阪のタクシー業界は今、2極化が進んでいた。大阪府・市によれば、2021年の実働率は市域で55.2%と、この10年で20%以上も減らしている。
現地で取材を重ねると、「稼働率が50%を切っている」という声もあれば「100%に近い」と豪語する会社もあった。つまり人を確保できる会社と、そうでないタクシー会社の間には格差が生まれつつあるのだ。
「大阪のドライバー不足の原因は、企業努力不足。これに尽きますよ」
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