大阪交通事情、「55割」の次は空飛ぶタクシー? 「タクシーの現場はカオス」 ②大阪編

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新大阪駅前は昨春から夏がタクシー待ちの行列のピークだった(撮影:栗田シメイ)
「2024年問題」が懸念される4月まであと約1カ月。プロのドライバーには時間外労働が規制され、トラック、タクシー、バスはいずれも人手不足が深刻だ。タクシーの場合、コロナ禍で需要が消滅し、数少ないタクシードライバーが辞めていったが、コロナ禍収束を受け、インバウンド(訪日外国人)も含む観光客が復活。全国各地でタクシーがつかまらない現象が生じている。

ここではノンフィクションライターの栗田シメイ氏が、東京・成田と大阪という、今のタクシーを象徴するエリアを取材。第2弾では2025年に大阪・関西万博の開催を控える大阪について、最新事情をリポートする(①東京・成田編はこちら)。
なお、『週刊東洋経済』3月2日号(2月26日・月曜日発売)は、「物も人も動かない ドライバーが消える日」を特集。全国で滞る物流や人流の構造問題と、ドライバー不足を解消するための処方箋について、全44ページにわたり取り上げている。

「55割」から「500円タクシー」まで多彩

週刊東洋経済 2024年3/2号の特集は「物も人も動かない ドライバーが消える日」 。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。バックナンバーの常備店はこちら、定期購読の申し込みはこちら

全国的に見ても、大阪のタクシーは独自路線を歩んできた地域だ。

例えば通称「55割」と呼ばれた、5000円超過分は5割引となる遠距離割引が2023年5月まで約20年、多くの会社で実施されていた。かつては格安の「500円タクシー」の存在など、初乗り価格にもかなり幅があった。近年では中国資本の複数のタクシー会社も現れている。

そんな大阪のタクシー業界は今、2極化が進んでいた。大阪府・市によれば、2021年の実働率は市域で55.2%と、この10年で20%以上も減らしている。

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現地で取材を重ねると、「稼働率が50%を切っている」という声もあれば「100%に近い」と豪語する会社もあった。つまり人を確保できる会社と、そうでないタクシー会社の間には格差が生まれつつあるのだ。

「大阪のドライバー不足の原因は、企業努力不足。これに尽きますよ」

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