
4月13日の開幕が間近に迫った大阪・関西万博。各種メディアで指摘されてきたような工期の遅れやチケット販売問題など続々と表面化しているが、現地取材をしてきた筆者がもっとも懸念しているのは交通インフラの視点である。より正確に言うのであれば、あまりに場当たり的なそのプロセスともいえるだろうかーー。
理由は単純明快である。万博協会の意思決定があまりに遅すぎて、事業者側の準備も進んでいないのだ。万博への主なアクセス手段は大阪メトロの中央線、シャトルバスが中心となる見込みだ。加えてタクシー移動などの可能性がある。
一方で、会場まで橋一本、トンネル一本というアクセス問題はかねて取り沙汰されてきており、不安が募っている。大阪タクシー協会の関係者が苦言を呈する。
利用者ファーストではない
「はっきり言って輸送計画が立っていない。仮に電車の運休、遅延、バスの事故などが生じた場合機能不全に陥ることは目に見えている。45秒に1度というシャトルバス運行が仮に実現するのなら、渋滞も避けられない。開催場所である夢洲へのアクセス方法を考慮しても、とてもではないが利用者ファーストとは言えない」
肝心のシャトルバスの運転手の確保には相当苦心してきた側面もある。ある大阪府議がこうも明かす。
「予測はしていましたが、結局は必要な数のバス運転手を確保できなかった。そのため主要バス会社は期間中に自社の事業よりも優先して、万博のために運転手を派遣するという対応を行うそうです」
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