賽銭だけでは生きていかれない!寂れた地方の神社を復活させた宮司の「境内のSNSライブ配信」原点は"地域の人たちとのつながり"だった

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宮司 神社
多くの神社の経営状態が厳しいなか、年収300万円未満の宮司が6割以上ともいわれています(写真:hiro/PIXTA)
全国に8万社もある神社。実はその多くが、経営難に直面していることをご存じでしょうか。
お賽銭やお守りの授与といった収入だけでは立ち行かず、年収300万円未満の宮司は6割以上に及びます。中には、50社以上の神社を一人で兼務する宮司も。「神社=儲かる」というイメージとは裏腹に、地方の神社を取り巻く現実は厳しいのです。
しかし、そんな状況の中でも、地域に根差し、つながりを持ち続けることで生き残っている神社があります。では、その違いはどこにあるのか?
ジャングルと化した寂れた地方の神社を革新的な取り組みで復活させた、異色の若き宮司、田川伊吹氏(病厄除守護神廣田神社第17代宮司)の新刊『宮司の経営』から、一部抜粋・編集して紹介します。

神社の数は、コンビニより多い

日本にある神社の数は8万709社(文化庁「宗教年鑑令和5年版」)にものぼり、全国のコンビニエンスストアの数(約5万5000店)よりも多くなっています。

約8万社の神社がある一方で、宮司はどのくらいいるのかというと、全国に約1万1000人しかいません。そのため、1人で複数の神社をかけもちしている宮司が多く、なかには50社以上の神社で宮司を務めているという人もいます。

私自身、廣田神社以外に21の宗教法人格のある神社をお預かりしています。これほど宮司のなり手が不足しているのは、経営が立ち行かず護持運営できない神社が多いからです。

神社の主な収入源は、お賽銭やご祈祷料、お守りやお神札などの授与品による収入(初穂料)、寄付金などです。しかし、こういった宗教活動による収入だけで経営が成り立っている神社は、ほんの一握りです。

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