賽銭だけでは生きていかれない!寂れた地方の神社を復活させた宮司の「境内のSNSライブ配信」原点は"地域の人たちとのつながり"だった

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このほかにも新しいお守りをつくったり、お祭りを新たな形で復活したり、廣田神社として新しく始めたことはたくさんあります。ただ、どれも私が一からつくりあげたものではありません。

伝統を守るために革新を加える

ライブ配信は、SNSという新しいメディアを使ってはいますが、その内容は昔から宮司が仕事として行ってきたこと、神社に受け継がれてきたものを見せているだけです。

また、金魚ねぶたも地域で長く親しまれてきた文化で、昔からあったものです。それを支援の集める方法や見せ方を新しくして、リブランディングしたことで、魅力を再発見してもらうことができました。

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時代によって流行が変わり、文明が発達しても、「人々が神様に祈り、感謝する場所」という神社の役割は昔と変わりません。そこで働く神職の仕事も同じです。

一方で、神社を守っていくには未来に目を向けて、今できることを探して、実践していくのも大切でしょう。

私の場合は、「できるだけ早く新型コロナウイルスの流行がおさまってほしい」「コロナ禍で不安になっている人々を元気づけたい」「ふるさとの文化を守って地域に貢献したい」という未来への思いがあって、そこから廣田神社として何ができるかを考えた結果が、SNSのライブ配信や、クラウドファンディングを活用した金魚ねぶた献灯祭となったのです。

「伝統を守るために、そこに革新を加える」。それが今を生きる私たちだからこそできることだと考えています。

田川 伊吹 病厄除守護神 廣田神社 第17代宮司

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たがわ いぶき / Ibuki Tagawa

1986年生まれ。國學院大學神道文化学部卒業後、寒川神社に奉職。その後、23歳にして全国最年少で廣田神社(青森県青森市)宮司に就任し、神職としての改革を積極的に推進。就任後、数百年ぶりに御神輿渡御の神幸祭を復活させ、節分祭を県内最大規模に再興するなど、地域文化と伝統の継承に尽力。SNSを活用し、全国初のInstagram神社コラボライブ配信を企画実施するなど、伝統と現代技術を融合させた活動を展開。また、クラウドファンディングを積極的に導入し、累計1000万円以上の支援を集め、八甲田山神社の祠再建や境内の各種整備を実現させた。こうした取り組みにより、宮司就任から15年で神社の年間収入を6倍に増収させ、参拝者数は36倍に増加させた実績をもつ。

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