そして、この「砂糖の物性」を上手に利用しているのが、じつは「和食」です。
和食は「砂糖の物性」を上手に利用している
砂糖を使うことで、食品をしっとりさせて口当たりをよくしたり、日持ちをさせたりする「伝統的な知恵」が和食にはあります。
たとえば、コンニャクを普通にだしとしょうゆで煮てもなかなか味がしみ込みません。そこに下茹でのときに大さじ1杯の砂糖を入れると、味がしっかりしみ込みます。
また生魚の下ごしらえに熱いお湯をかけて臭みをとる「霜降り」という技術がありますが、これも少量の砂糖を溶かしたお湯を使うと、形が保たれ、臭みがとれるのです。
また、お菓子の製造においても「砂糖の物性」の利用は必須です。
まず卵白を泡立ててホイップ状にするメレンゲは砂糖なしではしっかり泡立ちません。生クリームも砂糖を使って泡立たせることで口当たりがよくなります。
それからチョコレートはカカオバターを安定させて口溶けをよくするために砂糖が必要です。「平気で『チョコ』を買う人が知らない超残念な真実」でも述べたように、砂糖以外の甘味料、たとえば果糖をチョコレートに使っても、砂糖の「あの口溶け」は出ないのです。
こうした「砂糖の物性」を無視して「たんなる甘味」としてとらえてしまうから話がおかしくなるのです。
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