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「説得は無駄」だと言い切れる理由
ーーいざ会社で新しいことを始めようとすると、市場調査などで「顧客がこう言っています」という根拠を示せなければ、上司を説得できないと思っている人も少なくないように思います。どのようにすれば“社内の壁”を突破できるでしょうか。
私は人間の行為の中で、「説得」が一番無駄だと思っています。
そもそもピンときていない人は放っておいたほうがよくて「やりたいことがあるけれど、組織が動いてくれない」「上司がわかってくれない」のであれば、説得するのは無駄です。
では、どうすればよいか。政治学者のジーン・シャープやエリカ・チェノウェスも言っていますが、戦略として実行すべきは社会運動と同じで「のろしを上げること」です。
有名なジェフリー・ムーアが提唱したマーケティングにおけるライフサイクルカーブを見ると、イノベーター(革新者)は全体の2.5%、アーリーアダプター(初期採用者)は13.5%だと言われています。
言い換えれば、これまでにないコンセプトやマーケットが出てきたときに、「あっ、これは来ている!」と最初に飛びつける人は2.5%しかいないということです。

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