上司の気難しい表情すら管理する社会の結末 Z世代の不快を消す「デオドラント化」の限界
お金を払って「嫌なこと」を解決する
仕事が嫌だ、上司が嫌だ……ネットやSNSを眺めていると、そんな言説であふれている。「退職代行業」への依頼がGW明けに殺到しただとか、世の人々は本当に会社が嫌いなのだろうな、と思ってしまうようなニュースばかり耳にする。
嫌なものをできるだけ、見ないようにして消してしまいたい。そんな気持ちは痛いほど理解できる。ただ、世の中そううまくはいかないもので、古くから人はなんとか折り合いをつけながら、会社や社会と向き合ってきた。
しかし、現代ではますます「ビジネス」が威力を増し、お悩みを解決してくれるようになっている。退職代行にしても同様だ。もともと退職したいわけだから、会社の人と会うのは気が進まない。ましてや直接退職を告げるなんて、とんでもなく嫌なことだ。
そんな気持ちを解決してくれる他者が、現代にはあふれている。お金さえ払えば、嫌で仕方ないことを代わりにやってくれる。



















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