がん検診を受ければ、1~2割の確率でがんが見つかります。ボケが怖いと思っても、85歳になれば4割の人がボケます。こうした現実を直視せずに、「自分だけは特別」と考えていると、問題が発生したときにパニックに陥ります。
当たり前の確率で、自分にも起こり得る……と考えることが、パニックを回避するための第一歩となります。
本当に想定外の出来事が起こったら、その場で考えるしか方法がありませんが、想定内にできることを想定せず、想定外にしていると、不安が増すばかりです。
私は身の回りで起こることの「99%」は、想定できると考えています。想定できることを、想定外にしてしまうのは、自分の考え方に「甘さ」があると認識して、想定外の範囲を狭める必要があります。
「悪い楽観主義」になっていないか
人間は楽観主義と悲観主義の両面を持っています。楽観的に考えることが、緊張や焦りを生まない秘訣といえますが、楽観にも「いい楽観」と「悪い楽観」があります。できるだけ「いい楽観」を意識することが、平常心を保つことに役立ちます。
いい楽観とは、どんなことでも「いい方向に向かうはず」と肯定的に捉えて、前向きな気持でチャレンジできるマインドを指します。悪い楽観とは、「うまくいくに決まっている」と自分勝手に思い込んで、その後のことを何も準備せず、失敗して初めて慌て出すような考え方をいいます。
大事なポイントは、いい楽観主義を目指せば、仮にチャレンジに失敗しても、そこで落ち込んでしまうのではなく、次のチャレンジに挑戦できることにあります。
緊張したり、不安になる人には、「失敗」を極度に恐れる傾向があります。
日本人には、責任感が強く、完璧主義の人が多いため、失敗に対して過剰反応する気質がありますが、緊張や不安を回避するには、一度の失敗を恐れるのではなく、「最終的に成功すればいい」と発想を転換する必要があります。
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