ひざ痛の元凶「軟骨のすり減り」は50歳から始まる 「関節の衰え」を補うために有効な筋トレ法

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

毎日続ける。これが最も大事なことです。何もしないでいて、痛みが和らぐことはありません。でも、キツい筋トレをたまにやっても効果は出ません。誰でもできる簡単な筋トレを、ほんの少しだけ、毎日やり続けることで、痛みはゆっくり変わっていきます。ここでは、そのやり方と、根拠になる"ちょいエビデンス"を示していきます。どうか信頼して、ついてきてください。

ただ歩くだけでも、ひざの軟骨のすり減りの予防や治療になります。すり減った軟骨が元に戻ることはないのですが、適度な刺激を与えれば、軟骨の組織はゆっくりと強くなるのです。

歩くことは、筋肉を動かすこと。筋肉を動かすことは、関節を動かすこと。その関節に適度な刺激が与えられることで、関節は強くなっていきます。研究によれば、1日の歩数が1000歩増えると、変形性ひざ関節症(軟骨がすり減ってひざに痛みを生じる病気)の人が歩くときの機能障害のリスクが17%減ることがわかっています。

では、1日に何歩ぐらい歩けばいいのでしょうか? 答えを言うと、何歩でもかまいません。毎日やれば、それでいいのです。それでも「歩数の目安がほしい」と言う方には「10分でいい」とお答えしましょう。

群馬県中之条町で全住民(寝たきりの人以外)を対象にした「中之条研究」という有名な研究が、ヒントになるかもしれません。その研究では、1日7500歩(速歩きで17.5分)でサルコペニア(加齢によって体を動かす筋肉の量が減り、身体能力が低下した状態)による体力低下が予防できるという結果を得ました。さらに、運動の強度は高過ぎても低過ぎても良くなく、中強度運動が有効だということがわかりました。

「1日1万歩」にこだわる必要はない

日本の厚生労働省は、1日1万歩を勧めています。でも、そこまで歩く必要はなく、中之条研究からも、8000歩(速歩きで20分)で十分、それより短い10分でも十分だと私は思っています。"ながら歩き"で負荷を足すのですから、本当に歩数にはこだらなくてもいいでしょう。もちろん、速歩きにこだわる必要もありません。

ただし、たくさん歩ければ、それだけ効果は期待できます。歩いていて痛みがなければいくら歩いても大丈夫ですから、量を増やすことができればそれに越したことはありません。

それでも、歩くのが難しい人は、本当に10分でいいのです。「外出は500メートル先のスーパーまで。それ以上は歩きたくない」という人は、それでいいのです。

次ページ「いつもの歩き方」に負荷をプラスする
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事