「老害」にならないための"脳トレ"は45歳からやる 鍛え続けて「老害脳」の進行を遅らせるのがカギ

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私たちが自分の「老害脳」化を恐れるなら、脳の中年期にトレーニングを持続的に行うことで、そして脳に刺激を与え続けることで、できるだけ脳の中年期を引き延ばし、高齢期入りを遅らせることができるようになります。

特に危険なのは定年退職がある方です。60歳、65歳などの段階で、自分の意思とは関係なく急に環境や待遇が変わります。モチベーションが大きくそがれることもあるでしょう。

そこを乗り越え、なお新しいことを学び、未知の出来事に関心を持ち続ける「脳の筋力」を維持できているか。それによって、残された20年以上の人生における楽しさや喜びは、大きく変わってくるでしょう。

私は脳科学者として、誰もができれば85歳まで、少なくとも80代前半までは、健康な脳のままで生き続けることを追求すべきだと思いますし、それは可能だとも考えています。

90歳を超えても老害脳とは無縁の生活が可能

私は、2019年に101歳で亡くなった随筆家・評論家の吉沢久子先生と生前親しくさせていただいていたのですが、90代でもまるで20代のような感性を保たれ、事前の打ち合わせなしにイベントをご一緒させていただいたときも、アドリブでどんどん場を沸かせる方でした。

年下の私に対しても尊大な態度を取られることもなく、嫌な思いをさせられたことは一度もありませんでした。

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私はどうしても興味があり、無理を承知で何度か先生の脳のMRIを撮影させていただいたことがあります。最後は96歳のときでしたが、ほとんど老化を感じさせない映像で感服したことを覚えています。

究極の理想は、誰もが吉沢先生のように、老害脳とは無縁な生活を送ることです。

まだ40代の人も決して他人事ではありません。

60代、70代なんて想像もできない未来だと考えがちですが、40代で暴飲暴食が続けばすぐに太ってしまい、痩せることが至難のわざになるのと同様、すでに老化に至る道は始まっているからです。20〜30代の「老害被害者」の人も、中年期なんてあっという間です。

このポイントを早く認識できた人ほど、「老害脳」から遠ざかり、充実した人生を送れるようになります。

加藤 俊徳 医学博士/「脳の学校」代表

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かとう としのり / Toshinori Katou

脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。株式会社「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。脳科学・MRI 脳画像診断の専門家。1991年に、現在、世界700カ所以上の施設で使われる脳活動計測fNIRS(エフニルス)法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科で脳画像研究に従事。ADHD、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。加藤式MRI 脳画像診断法を用いて、小児から超高齢者まで1万人以上を診断・治療。得意な脳番地・不得意な脳番地を診断し、脳の使い方の処方を行う。著書に、『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』(ダイヤモンド社)、『一生頭がよくなり続けるもっとすごい脳の使い方』(サンマーク出版)、『1日1文読むだけで記憶力が上がる!おとなの音読』(きずな出版)など多数。

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