「小中学生の50.3%が近視になっている」という衝撃的な調査を文部科学省が発表したのは今年7月のことだ。データによると、わずかこの2年の間に約1割の子どもが新たに近視になったという。このことを憂いているのが眼科医の窪田良氏だ。
今回は、『近視は病気です』(東洋経済新報社)の著者・窪田良氏と、非認知能力育児のパイオニアであるボーク重子氏が「子どもの近視」と子どもの心身の土台作りをテーマに対談する最終回は、子育て中の親からよく相談される「子どもとスマホの付き合い方」について。2人がそれぞれの立場からその悩みについて語り合う。
スマホは悪者ではない、だが依存性の高いやっかいなもの
窪田:子どもの近視の第一人者として、保護者の方から寄せられる相談で一番多いのが子どもとスマホの付き合い方です。
ボーク:今やスマホでお金の決済から病院の予約まで何でもできるようになり、大人にとって片時も手放せない存在となりました。大人が手放せないものを、子どもが興味を示さないことはないですよね。
窪田:現在20代の私の子どもたちには、中学生になるまでスマホは持たせなかったのですが、そうもできない時代になってきていると感じています。
ボーク:我が家の場合、娘はバレエのレッスンが夜遅くなることも多かったので、私たち親との連絡手段として、当時のアメリカとしては比較的早くに携帯電話を持たせていました。
窪田:日本は子ども1人でも行動できるほど治安はよいですが、何かあったとき用にと連絡手段としてスマホを持たせるご家庭は多いでしょうね。
トピックボードAD
有料会員限定記事
キャリア・教育の人気記事