ボーク:できてしまうからこそ「やらない」ことに罪悪感を持つこともあるのではないでしょうか。だからやってしまう。そうして心身ともに疲れていくことになる。
窪田:食事作り1つとっても、一度に何品も作れて尊敬します。
ボーク:そうなんですよね、子どもに栄養あるものを食べさせたいと本当に頑張るし頑張れてしまいます。ですが、親の一番の仕事とは何でしょうか。それは子どもに愛を与えることです。
窪田:確かに。
ボーク:ママの心が疲れていると、子どもに愛を与えることも難しいですし、身体も疲れてしまいます。私はまずはママの心の健康が何よりも大事だと考えています。
スマホを育児の場面で使うことでママの心の健康を救えるのなら、それはアリだと思います。
窪田:今はスマホにチャイルドロックや使用時間の制限をかけられるようにもなってきました。
ボーク:そうですね、例えば親がもうクタクタ、ちょっと横になりたい……と思ったら、子どもに15分間スマホを渡す。その間、親は罪悪感を一切持たずに、身体や心を休めるのに集中するのはどうでしょう。
窪田:そのくらいの時間なら、その後遠くを見るようにすれば目の健康を十分守れます。
15分で終えられたら「ありがとう」
ボーク:これはある種のインターバルトレーニングにもなります。15分親は思いっきり休んで、子どもは思いっきりスマホで遊ぶ。時間がきたらおしまいにする。自分を律するという自制心を育めますね。
窪田:眼科医としては、そのときにぜひ「暗い場所では見ない」「あまり目を近づけすぎない」というのを加えてもらいたいですね。
ボーク:そうですね、もし15分間と時間を決めてその時間できちんとスマホを子どもが返してくれたら、お子さんに「ありがとう」と必ず伝えてあげるとよいと思います。
「ちゃんと目から離して見てたね。ルールを守って遊べたね。ありがとう」
窪田:親にそう言ってもらえたら嬉しいですね。次もそうしようと思えそうです。