医師不足を助ける新しい資格「医師助手」の期待度 アメリカで始まり、日本でも導入の議論が進む

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数日後に手術の見学を予定している理学療法士(左)に手術方法の説明をする山田さん(写真:筆者撮影)

それによって、スポーツ医学科は院内でも大きく収益を出す科に進化し、他科・他部門のスタッフからも注目されるようになった。さらに、看護師の新たなキャリアとしても注目されるという副産物も生み出した。

医師と患者、他の職種をつなぐ

医師と患者だけでなく、医師と他の職種をつなぐPA。

一方で、看護師とPAをどうすみ分けるのか、難しい面もある。実際、本来は看護師もやっていいことであっても、「PAがやるだろう」という理由で看護師がやらない業務も出てきていると、山田さんは懸念している。

お互いが持つ情報を共有し、さらなる多職種連携強化を目的としてPAが主体となり、看護師・医師・理学療法士などによる多職種カンファレンスが行われるようになった。

「PAは新たな看護師のキャリア。入院中だけでなく、退院後やその数年後を見据えて、患者さんに必要なケアは何かと考えながら関わることが、やりがい」と山田さん。

PAが同院で必要不可欠な存在になったことをモデルとし、患者の回復・健康増進に関わる職種として社会に広く認知され活躍することで、医師の働き方改革以降も質の高い医療が継続されるだろう。

歩きながら加藤医師と明日のスケジュールを確認する山田さん(右)(写真:筆者撮影)
高山 真由子 N direction代表、東京先進整形外科看護部、看護ジャーナリスト

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たかやま まゆこ / Mayuko Takayama

慶應義塾看護短期大学卒業後、看護師と並行して看護ライターとして活動開始。東海大学健康科学部看護学科に編入学しジャーナリズムを副専攻したことを機に、早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコースに進学し看護ジャーナリズムの開拓を目指す。修了後は看護師・保健師の仕事と看護医療ライターの活動を続け、医療系オウンドメディアの編集者を経て2023年1月独立。現在もさまざまな医療現場で働きながら「ペンの力で看護を変える」をモットーに取材執筆活動をしている。
X(旧Twitter):https://x.com/Mayu_Ndirection
HP:https://fori.io/mayuko-takayama

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