脳ドックで発見率3%でも受けるべき?脳動脈瘤の治療がここ数年で大きく変わりつつある事情

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(写真:kou/PIXTA)
脳外科医が見落としていた…転院で発覚した「脳動脈瘤」の手術を受けた結果』では、大型脳動脈瘤が見つかりフローダイバーター手術を体験した筆者のケースを軸に、未破裂動脈瘤の破裂を防ぐ治療法の概要を紹介した。
後編となる本記事では、比較的新しい治療法であるフローダイバーター普及の“壁”をどう突破したのか、5ミリ以上の瘤に使用可能な対応デバイスの登場以降、何が変わったのかを深掘りする。

潮目を変えた5ミリ以上対応器具の登場

一般に新たな治療法が登場すると、関連する学会が厚生労働省と連携しながら手術の実施基準を作成、同基準順守を条件に厚労省はメーカーに対し薬機法上の承認を出す。

フローダイバーターについても、WEBについても、日本脳神経外科学会、日本脳卒中学会、日本脳神経血管内治療学会の3学会が共同で実施基準を作成、手術を実施していい施設(=病院)、実施していい医師の基準を厳格に定めている。

具体的には、実施施設の要件は、血管撮影装置を備え、いざというときのために常時開頭手術ができる病院であること。実施医の要件は、3学会から専門医の認定を受けていること、脳動脈瘤の血管内治療を執刀医として40例以上経験していることなどに加え、使用する機器のメーカー指定のトレーニングを受けていることなど。

メーカー指定のトレーニングは、座学、模擬実技、そしてメーカーがプロクター(=指導医)として指定した医師の立ち会いのもとでの複数回の実技という構成で、すべてクリアした時点でメーカーが「実施医」の認定をする。
発売から30年以上が経過しているコイル塞栓術用の器材は販売対象に規制はないが、フローダイバーターやWEBは、薬機法上実施医以外には販売できない。

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