脳ドックで発見率3%でも受けるべき?脳動脈瘤の治療がここ数年で大きく変わりつつある事情
先行したメドトロニックが、実施医や実施施設の認定にかなり慎重だったこと、薬機法の承認上使用可能な部位がかなり限定されていたこと、何よりも使用可能な瘤の大きさが、10ミリ以上という、かなり稀有な症例に限られていたことなどから、実施医認定を必要と考える脳外科医の人数も限られた。
このため、発売から2年後の2017年秋の時点での実施医の人数は全国でわずか35名。この当時実施医認定を受けている医師は超希少な存在だったのだ。
実施医の人数が大幅に増えた理由
潮目が大きく変わったのは2019年8月。テルモが5ミリ以上の瘤に使用可能な「FRED」で薬機承認を得、2020年4月に販売を開始した。使用可能な部位もメドトロニックの「Pipeline」ではカバーしていない部位が含まれていたため需要が急拡大。
その半年後の同年9月には「Pipeline」でも5ミリ以上の瘤に使用可能な新バージョンが発売された。使用可能な対象が拡大したことで、実施医認定を望む脳外科医が急増。現在では実施医の認定数は「Pipeline」が約800名、「FRED」が約300名、最後発の「Surpass」は数十名だという。
後発2社の実施医はほぼ「Pipeline」の実施医資格者と考えていい。メーカーが薬機法の承認をとる際に、エビデンスとしている治験事例の部位が、そのまま使用可能な部位になるので、メーカーごとに使用可能な部位が微妙に異なるためだ。
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