心臓外科医が説く「手術に向き合う」心の整え方 「ゾーンに入る」ことを期待してはいけない

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いつもと同じ力をどんなときでも発揮できるようになることが大切だという(写真:EKAKI/PIXTA)
ほんのわずかなミスが患者の生死に直結しかねない心臓外科医。そんな心臓外科医として、14年連続で「The Best Doctors in Japan」に選出されている渡邊剛氏には、つねに安定した高いパフォーマンスを発揮するために意識していることがあるといいます。世界初となる、心臓の「完全内視鏡下手術」を成功させた経験もある渡邊氏が実践する「心の整え方」とは、いったいどんなものなのでしょうか。
*本稿は渡邊氏の著書『心を安定させる方法』から、一部抜粋・編集してお届けします。

心臓手術に必要なのは「フラット」なメンタル

時間が止まったかのような、研ぎ澄まされた感覚を得ることを「ゾーンに入った」と言うそうです。

世界的なハードル選手だった為末大さんは、認知心理学者の下條信輔さんとの共著『自分を超える心とからだの使い方』(朝日新聞出版)のなかで、「ゾーンに入った」経験は人生でたった3度だけとおっしゃっています。

ゾーンに関する話題は、漫画やアニメの世界でも描かれることが多く、周りの人たちの動きが止まって見えるなか、主人公だけ動けているシーンや、周囲の音が一切消えて、自分の世界だけが描かれている場面を目にしたことがある方もいると思います。

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