人生100年時代を迎え、多くの人がひざの痛みや歩行のトラブルを抱えています。60代から急に増える「変形性膝関節症」という病気が、長くなった「老後」という〝ご褒美時間〞の生活の質を低下させてしまう大きな原因の一つとなっています。
変形性膝関節症はとても身近な病気で、病院にかかるなどはしていない人も含め、「70代女性の約7割が変形性膝関節症である」という調査結果もあるほど。手術が必要なレベルの患者から医師によく寄せられる疑問とは? ひざ関節を専門とする整形外科医の巽一郎氏の著書『100年ひざ』から一部抜粋、再構成してお届けします。
1人の医師の意見だけを聞く必要はない
Q)主治医から「いずれは手術」と言われています。セカンドオピニオンを受けるべきでしょうか?
A)セカンドオピニオンはとっても重要!
医者の意見というのは、その医者が経験した症例と結果で答えている――そう思って、視点を変える。それがセカンドオピニオンを受ける意味です。私は保存療法が主体の医者なので、可能な人には保存療法を提案します。手術しかしたことがない先生は「すぐ手術」とおっしゃるでしょう。まったく視点が違うから、意見が違います。
1人の医者が何を言おうと、それを最後の宣告などと思うことはないのです。治療の主役は自分。自分を見る視点をいくつももって、納得いかなかったら3人目、4人目……と、自分が、より正しい自分に近づくために真剣に医者を選んだらいいでしょう。
忘れてはならないのは、結局は、自分が選ぶんだということ。自分を信じて選んで、自分で責任を取る。真剣にそうやっていたら、ちゃんと出会うべき医者に出会うと僕は思います。
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