ひざ痛の治療が糖尿病も治してしまう納得の理由 患者が向き合わなければならない「本当の原因」

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変形膝関節症の治療を進めると、糖尿病が治るというのは本当でしょうか(写真:buritora/PIXTA)
人生100年時代を迎え、多くの人がひざの痛みや歩行のトラブルを抱えています。60代から急に増える「変形性膝関節症」という病気が、長くなった「老後」という〝ご褒美時間〞の生活の質を低下させてしまう大きな原因の一つとなっています。
この変形膝関節症の治療を進めると同時に、糖尿病が治った人がたくさんいます。どういうことなのでしょうか。ひざ関節を専門とする整形外科医の巽一郎氏の著書『100年ひざ』から一部抜粋、再構成してお届けします。

ひざ痛の保存療法が他の病気も治してしまう

変形性膝関節症はとても身近な病気で、病院にかかるなどはしていない人も含め、「70代女性の約7割が変形性膝関節症である」という調査結果もあるほど。とくに女性が要介護状態になる原因は、この病気と腰痛、それから認知症がとても多いです。

8月4日に配信した「『ひざの不調』70代女性の7割が悩む病気の正体」でも詳しく解説したように、この病気の原因を簡単にいえば、ひざの負担を大きくしている生活習慣があり、軟骨のメンテナンスも不十分。そこに老化が加わることで、ひざの軟骨が加速度をつけてなくなってしまうケースがほとんど――ということです。

一方、僕はひざの軟骨が全てなくなった患者さんでも「復活」する現実を見てきています。必要があれば最善の手術をしますが、拙著『100年ひざ』でも詳しく解説している、たつみ式・保存療法をお勧めしています。

たつみ式・保存療法とは、主には次の4つです。

①朝起きてトイレに行く前に足放り体操/暇があれば足放り体操

②体重を標準へ/戻し方は週一回絶食を提案

③歩き方/O脚の人は内もも歩き/X脚の人は一直線歩き/治るまでは杖をつく

④筋トレ/大腿四頭筋を鍛える/腹筋と骨盤底筋群も

こうした変形性膝関節症の保存療法に取り組んだ結果、ひざの痛みを解消したと同時に、糖尿病が治った人がたくさんいることに気づきました。

その人たちは「食べすぎ」をやめて、適正体重になった。血糖値が正常化し、糖尿病治療も卒業したのです。

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