医師不足を助ける新しい資格「医師助手」の期待度 アメリカで始まり、日本でも導入の議論が進む

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

PAたちは次に加藤医師がどのような動きをするのかを先読みし、必要なタイミングで吸引したり、透視のモニターが見やすいように立ち位置をずらしたり、術野が見やすいように傷口を固定したり。加藤医師の手が止まることなく、あうんの呼吸で粛々と手術が進む。静かななか、心電図などのモニターや電気メスの音だけが響く。

これまでは医師が行っていた術後の患者や家族への説明、サマリーと呼ばれる手術内容や経過の記載は、医師の指示のもとにPAが担う。それにより、加藤医師は次の手術に備えたり、別室の手術に参加することが可能になった。

医師の指示のもと電子カルテにサマリーを記載する山田さん(写真:筆者撮影)

安心感につながっている

午後、山田さんは加藤医師と整形外科の病棟に向かい、膝の手術を終えて退院が近いBさんの病室を訪ねた。術後の画像をBさんと一緒に確認したあと、通院のスケジュールや退院後の注意点などを伝える。

トライアスロンを趣味にするBさんが、「退院後はいつから走っていいですか?」と聞くと、理由を話したうえで、「1カ月は安静にして、その後少しずつ動かしていきましょう」と説明。Bさんは競技復帰までのイメージをつかめたようだった。

「話を聞いてくれる人がいることが安心感につながっている。(山田さんには)わからないことを何でも聞けるし、それに答えてくれる頼りになる存在」とBさんは話す。

Bさん(左)に術後の経過や退院後の生活について話す山田さん(中央)と加藤医師
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事