「やる気ない」年上50代部下に言ったほうがいい事 年上部下が当たり前の時代のマネジメント

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ある製薬会社の課長は、自身の昇格により、以前自分の上司であった人がメンバーとなったことがある。年下の上司もやりにくいし、年上のメンバーもおもしろくない。 

その際、課長という立場から言うべきことを言いつつ、年上のメンバーの強み・弱み・特徴をよく理解したうえで、極力、年上のメンバーの強みを活かそうとしたそうである。 

特に年上のメンバーの強みが出る分野においては、「○○については、どのように考えますか?」「何か、若手に向けてのアドバイスなどありませんか?」など相談を投げかけながら、やる気や能力を活かすようにし、結果、うまく課をマネジメントできたとのことである。 

ジュニアメンバーにやってはいけないこと

新版 課長の心得
『新版 課長の心得』(総合法令出版)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

10歳、20歳、時に30歳以上年齢差があるジュニアメンバーを持った場合、どうするか? 

「最近の若手は考え方、価値観が違いすぎる」と思うこともあるだろう。また、話題がかみ合わないこともあるかもしれない。

数千年前に書かれた古代エジプトの壁画から、「最近の若者はどうしようもない」と書かれた落書きが見つかっている。いつの時代でも「最近の若者は……」という話題は尽きないようである。 

若いメンバーに対しては、次のようにするとよい。 

①まず相手の話を聴いていく 

相手の仕事また仕事以外の点において、意見・考え方などを聴いていくと相手も話すようになる。素直に相手の話に耳を傾けて、相手から学ぶつもりで接するとよい。 

筆者自身、大学2〜4年生向けの授業を担当している。当初は大学生を理解できるかどうか多少の不安もあったが、よく話を聴いていくと、デジタルや社会課題に関する考え方や価値観、どんなことに関心があるかなどが徐々に理解できるようになってきた。 

②自分の失敗談を伝える 

タレントの高田純次氏は、「年配者が若者にやってはいけない話は、説教と昔話と自慢話」と言っている。ビジネスにおいても同じである。恥ずかしながら、筆者も若いメンバーに説教的なことを言ってしまい、反省することがある。 

経験や考え方などを伝えるために過去の成功談もよいかもしれないが、若いメンバーにとっては、年配者の失敗談のほうが自慢話より聴きやすく、ずっと参考になる。「新入社員のころ、○○の失敗をしたことがある」「○○で悩んだことがある」などの話をすると、年齢差のあるメンバーにも共感でき、思いのほか、耳を傾けたり、質問してくるだろう。 

安部 哲也 立教大学大学院ビジネススクール(MBA)客員教授・EQパートナーズ代表

福岡県生まれ。修猷館高校卒業。中央大学法学部卒業。BOND大学大学院 経営管理学修士課程(MBA)修了。パナソニック国内・海外部門にてシステムエンジニア、営業、マーケティング、企画、海外(香港)駐在など、リーダーシップ、マネジメントを経験。2002年、企業向け人材開発・コンサルティング会社EQパートナーズ(株)を設立。社長として同社を経営し、チーフコンサルタント・講師として、NTT、NTTドコモ、パナソニック、東芝、キオクシア、NEC、損保ジャパンなどで、経営者向け・次世代リーダー研修などを多数実施。2005年より立教大学大学院ビジネススクールにて、リーダーシップ理論、起業家理論、交渉理論、修士論文指導などを担当。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事