「100万部売れた絵本」の読者が夢中になる仕掛け 『ぜったいにおしちゃダメ?』大ヒットの理由
大学4年生のときに自己PRウェブサイト「世界一即戦力な男」を作り、インターネット上で話題となった菊池良さん。その後、会社員時代を経て専業作家として独立、『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』は累計17万部の大ヒットを記録しました。
そんな菊池さんの新著『えほん思考』は、古今東西の名作絵本から暮らしを豊かに・ビジネスを楽しくする26の思考術・発想法を抽出し紹介しています。
同書から一部を抜粋し、3回にわたってお届けします。
一方通行より双方向
映画は見たお話で泣く。
ゲームは自分がした苦労に泣く。
──宮本茂(ゲームデザイナー)
ゲームは自分がした苦労に泣く。
──宮本茂(ゲームデザイナー)
私たちは一方通行なものよりも、双方向なものに楽しみを覚えることがあります。たとえば、カレー屋でからさが選べることによって、どのぐらいのからさにしようかと考える楽しみが生まれます。
ものごとをインタラクティブにすることで、参加要素が生まれます。そうすることで、私たちはより能動的に楽しみや愛着を感じるのです。
ビル・コッター『ぜったいに おしちゃダメ?』サンクチュアリ出版
『ぜったいに おしちゃダメ?』は表紙に大きな赤いボタンが描かれています。どうやらこの赤いボタンを押してはいけないようです。
ページを開くと、ラリーという紫色のモンスターが出てきて読者に呼びかけます。この赤いボタンは押しちゃいけないと。
ラリーは押しちゃいけないと念押ししますが、すぐに押すことを誘惑してきます。ボタンを押してはいけないと言われると、それをするとなにが起こるのか気になってしまうのが人間というものです。ラリーの誘惑に負けて、読者がボタンを押してしまうとたいへんなことが起こるのでした──。
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