伝説の漫画家「バロン吉元」の超絶ラッキーな人生 節目節目で必ず先輩や先生が引き上げてくれた

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異彩の漫画家・バロン吉元さんのインタビュー後編です(筆者撮影)
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これまでにないジャンルに根を張って、長年自営で生活している人や組織を経営している人がいる。「会社員ではない」彼ら彼女らはどのように生計を立てているのか。自分で敷いたレールの上にあるマネタイズ方法が知りたい。特殊分野で自営を続けるライター・村田らむが神髄を紡ぐ連載の第112回。(本記事は前後編の後編です。バロンさんの生い立ちから、転機となったギャンブルシリーズ『賭博師たち』の誕生背景までを描い前編の記事はこちら

漫画執筆とギャンブル場を行き来する生活

転機となったギャンブルシリーズ『賭博師たち』。

この作品では、絵のタッチもそれまでのアメリカンコミックの画風から、バタくささは残しつつも、日本風のタッチに変えた。描画にはつけペンではなく主に面相筆を使い、その後も一貫して、ペンのタッチをいかに筆で表現するかを探求した。

綿密な取材をもとに描く漫画はリアリティがあって、すぐに人気を博した。

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漫画執筆とギャンブル場を行き来する生活をしていた、ある暑い夏の日。バロンさんはいつも通り、クーラーのないアパートの一室で窓を開けて仕事をしていた。午後6時だが、まだ日は高く暑かった。

アシスタントは3人いたが、1人は買い物に行っていた。

「急に電気を消したみたいに暗くなったの。黒雲が落っこちてきたみたいだと思った。そうしたら横から稲妻がバリバリと鳴って、ブワー!! っと旋風が、アラレまじりの突風が部屋の中に吹きまくった」

竜巻だった。息をするのがやっとだったという。

狙いすましたように、バロンさんの高台にあったアパートにだけ、竜巻が発生した。

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