
いとうまりこさんは、キャリア22年のベテランアニメーターだ。総作画監督やキャラクターデザインも担当する実力派である。
そんな、いとうさんが、今年『憧れのアニメーターになったら超絶ブラックでした』という漫画を上梓した。コミカルなタッチながら、アニメ業界の暗部を世に伝える内容だ。
なぜ、いとうさんはアニメーターになったのか。そして、なぜアニメ業界を題材にした漫画を描くことにしたのか。竹書房の会議室で話を伺った。
幼少期から絵を描くのが好きだった
いとうさんは、横浜で3人兄弟の末っ子として生まれた。
「兄が2人いる末っ子だったので、“好きにさせとけ”みたいな空気でしたね。私はとにかく絵を描くのが好きで、幼稚園の頃から毎日ノートに落書きしてました。
父にねだって、大学ノートの3冊セットをたくさん買ってもらっていました。小学生の頃からは同人誌を作って友達に見せていて、“ジェームズ伊藤”っていうペンネームまで使ってました(笑)」
絵を描く欲求は、進学しても衰えなかった。
「中学・高校に入ってもずっと漫画を描いてました。高校時代はアニメ雑誌に絵を投稿するのにハマっていて、10回以上は掲載されたと思います。それで承認欲求が満たされました。勉強は全然ダメだったけど、“絵の世界なら活躍できる!”って自信が持てたのは大きかったですね」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら