「ガンダム」生みの親が語る日本エンタメ史の裏側 安彦良和氏が驚愕した才能、原作のアニメ化に思うこと

子どもの頃はほとんどアニメを観なかった
――アニメーターとして出発し、漫画家、アニメ監督など、多岐にわたるご活躍をされてきました。ご自身としては、生業(なりわい)をどう認識しているのですか。
子どもの頃から夢見ていたのは、漫画家になること。手塚治虫や横山光輝に憧れた。ただ、目標があまりに遠くて一度は「まともな社会人になろう」と夢を諦めた。結果として今は漫画家をやっているが、ものすごく遠回りした人生だった。
その「遠回り」の1つが、アニメの仕事だった。僕は北海道の田舎に住んでいたから、子どものころは家にテレビがなくて、ほとんどアニメを観ていなかった。
だから上京して(手塚治虫が創設したアニメ制作会社である)「虫プロダクション」に偶然にも拾ってもらったときは、アニメ「鉄腕アトム」すら見たことがなかった。アニメーターって何をやるんだろう、というレベルだ。
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