甲斐さんは博多ラーメンが東京では1100円で出せる食べ物であることを証明するとともに、食材費だけではなく、職人の“技術”も価値であるということを伝えたいと考えている。
本場・福岡でも「非豚骨」の新店が上回る
「きら星」は2023年12月で惜しまれつつ閉店。またクサウマの名店がひとつ姿を消した。
「和」の馬場店主はこのままの流れではクサウマ系のお店は増えていかないだろうと嘆く。
「現地っぽい博多豚骨ラーメンは華やかさがあるわけではないので、その魅力が一般的に伝わりにくい。昔からある古いラーメンというイメージになってしまっていると思います。
昔に比べて圧倒的に店舗数が少なくなってしまっているので、業界的に盛り上げようにも難しい状態になっています。今あるお店がそれぞれ味を磨いていき、ファンを獲得していくしかないと思いますね」(「和」馬場さん)
本場・福岡においても近年は豚骨ラーメンよりもそれ以外のラーメン(「非豚骨ラーメン」と呼ばれる)の新店の割合が多く、ラーメンの多様化とともに衰退してしまうのではと危惧されている。
筆者も都内でクサウマ系のお店を見つけると飛び上がるぐらい嬉しくなるが、今あるお店の味を文化としてしっかり残すべく、業界全体で考えていきたい課題である。
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