ファーウェイ、研究開発費「3兆6000億円超」の凄み 独自開発の半導体、OS、基盤ソフトに重点投資

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ファーウェイは独自開発したAI半導体とソフトウェアで世界最高レベルのAIクラスターを構築した。写真は同社のクラウド部門を率いる張平安氏(ファーウェイのウェブサイトより)

「わが社の2024年の研究開発投資は1700億元(約3兆4454億円)を超えた。中国とアメリカの競争を背景に、2025年の研究開発投資はさらに増えるだろう」

中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の常務董事(上席取締役に相当)でクラウドコンピューティング部門のCEO(最高経営責任者)を兼務する張平安氏は、6月21日に開催された同社のソフトウェア開発者向けイベントでそう述べた。

ファーウェイのアニュアルレポート(年次報告書)によれば、2024年の研究開発費は1797億元(約3兆6420億円)に上り、前年比9.1%増加した。これは同年の総売上高(8620億7200万元=約17兆4715億円)の20.8%に相当する。

アメリカと真っ向勝負

張氏によれば、ファーウェイはIT(情報技術)インフラの形成に不可欠な3分野への研究開発投資を重点的に増やしている。

具体的には、1つ目がAI(人工知能)チップの「昇騰(Ascend)」、CPU(中央演算処理装置)の「鯤鵬(Kunpeng)」、モバイル機器向けチップの「麒麟(Kirin)」に代表される独自設計の半導体、2つ目がサーバー向けやモバイル機器向けの基本ソフト(OS)、3つ目がデータベースなどの基盤ソフトウェアだ。

「将来の国際関係の変化とともに、世界のITのエコシステムはアメリカまたは中国を中心とする2大陣営に分かれていく。その潮流の中で、ファーウェイはヨーロッパや中東などの“中立市場”の需要を勝ち取らなければならない」(張氏)

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