前日の6月20日、ファーウェイは独自に構築した大規模AIクラスター「CloudMatrix 384」を使ったAIクラウドサービスの正式リリースを発表した。CloudMatrix 384は独自設計の最新AIチップ「昇騰910C」を384基搭載しており、総合的な演算性能はアメリカのエヌビディアの「GB200 NVL72」に匹敵するとされる。

さらに、同じく独自開発した大規模言語モデル「盤古(Pangu)」の最新バージョンも発表。ファーウェイによれば、AIの性能を評価する複数のベンチマークテストでアメリカのオープンAIの「o3」や中国のDeepSeek(ディープシーク)の「R1」を上回るパフォーマンスを示した。
独自エコシステムに自信
「ベンチマークの上位につけるAIモデルは、(盤古を除いて)いずれもアメリカの(エヌビディアなどの)AIチップを使って訓練されたものだ。盤古はファーウェイ独自の昇騰チップとソフトウェアだけで訓練されており、世界の上位モデルに比肩する性能を発揮できることを証明した」。前出の張氏はそう胸を張った。

今回の開発者向けイベントでは、独自開発OS「鴻蒙(ホンモン、英文名はハーモニーOS)」の次期バージョン「鴻蒙6」のベータ(試用)版もリリースした。鴻蒙6はAIエージェントの開発フレームワークを搭載し、複数のAIエージェントによる効率的な協調をサポートするという。
「鴻蒙のソフトウェア開発者は(登録ベースで)800万人を超えた。ファーウェイはすでに40以上の端末製品に鴻蒙を搭載しており、アプリケーション・ソフトの数も3万本を突破した」
ファーウェイの常務董事で消費者向け端末事業を率いる余承東氏はそう述べ、鴻蒙のエコシステムのさらなる拡大に自信を示した。
(財新記者:劉沛林)
※原文の配信は6月21日
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