“サイバー犯罪者の発明” 証券会社の被害に見る「今までなかったアプローチ」とは?高まる脅威と不正アクセス事件が“対岸の火事ではない”理由

今回の証券口座の不正アクセスは、既存の対策の隙を巧妙に突いた新たな手口であり、犯罪者側の発明とも言える(画像:fStop Images - Epoxydude /Getty Images)
2025年に入って巷を騒がせているものの1つが、犯罪者による証券口座の乗っ取りによる不正売買です。証券会社側でも多要素認証の必須化などの対策を進めていますが、これまでにないアプローチが用いられ被害が拡大しています。この連載では、証券口座への不正アクセス事件から学びを頂き、その手口や対策について考えていきます。
不正アクセスによる被害の状況、証券会社は延べ17社
2025年に入って証券口座の乗っ取りによる不正売買が相次いでいます。

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金融庁が2025年7月7日に公表した情報では、2025年1月からの累計で不正アクセス件数が12,758件で、そのうち実際に不正取引が行われた件数が7,139件となっており、インターネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引による被害が急増している状況が明らかになっています。
これは、各証券会社から報告を受けたものだけで、いまだに判明していない不正アクセスや不正取引が存在することを考えると、さらに被害は拡大していることが予測されます。

証券口座の不正アクセス状況(マクニカ提供)
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