〈不正売買額は954億円〉証券口座乗っ取り「損失の補償」はどうなる? 証券会社に過失はなく「超法規的措置」か

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今年3月末時点では、フィッシング詐欺等で生じた損失について「補償は致しかねます」と明記していた(楽天証券ホームページのキャプチャ画像。黄色線の枠は編集部が追加)

個人の証券口座が不正にログインされ、中国株や国内小型株などを勝手に買い付けされるという被害。金融庁によると、4月16日までに証券会社6社で1454件の不正取引が確認され、不正売買額は954億円に上る。

証券口座が乗っ取られたうえに株価操縦まで行われるという金融犯罪に、証券業界はさまざまな対応を迫られている。被害に遭った個人、証券会社の双方が気をもむのが「補償」の行方だ。

証券会社の約款には、顧客が取引情報等を漏洩・盗用されたことにより生じた損害について「責任を負わない」ことが明記されている。

不正ログインによる株価操縦が表面化した当初も、ネット証券などは「約款に記載のとおり損失は補償しない」とのスタンスだった。

「政府からの強い要請」で補償検討

実際、楽天証券は3月末時点において、フィッシング詐欺等で生じた損失について「補償は致しかねます」とホームページ上ではっきり示していた。

ところが4月に入って被害が急拡大すると、一気に流れが変わった。ホームページ上の記述は大きく変わり、「被害にあった可能性がある取引の把握を行い、対応を進めてまいります」との文言に修正されている。

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現在は「被害にあった可能性がある取引の把握を行い、対応を進めてまいります」との文言になっている(楽天証券ホームページのキャプチャ画像。黄色線の枠は編集部が追加)
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