ファーウェイが中国独自の「AI計算能力」に執念 米制裁下でもAIの進化を止めない体制構築へ

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ファーウェイは中国独自のコンピューティングパワーの構築に執念を燃やす。写真は「ファーウェイ・コネクト」で基調講演する徐直軍・輪番董事長(同社ウェブサイトより)

「インテリジェント・トランスフォーメーションは長期的なプロセスであり、その基盤はコンピューティングパワー(計算能力)にある。これは現在も、将来においても変わらない。つまり持続可能なコンピューティングパワーの構築こそ、AI(人工知能)の進化を維持するカギなのだ」

中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の輪番董事長(訳注:交代制の会長職。任期は6カ月)を務める徐直軍氏は9月19日、上海市で開催した年次イベント「ファーウェイ・コネクト」の基調講演で、同社のAI戦略におけるコンピューティングパワーの重要性をそう強調した。

さらに徐氏は、ファーウェイが今後必要とするコンピューティングパワーを確保するための基本戦略について、次のように述べた。

「われわれは現実的に利用可能な半導体製造技術をベースに、AI革命がもたらすチャンスをつかみ取りたい。そのために新たなコンピューティング・アーキテクチャーを創造し、長期的に必要なコンピューティングパワーを満たしていく」

米制裁の長期化を覚悟

徐氏のこの発言は、ファーウェイに対するアメリカ政府の制裁を念頭に置いたものだ。2020年9月のアメリカ政府の制裁強化により、同社はアメリカ由来の技術を用いた先端半導体を調達できなくなり、関連技術やサービスの入手も困難になった。

そんな中、AIの急速な進化についていくためのコンピューティングパワーをどう確保するかは、ファーウェイにとって極めて深刻な課題なのだ。

「コンピューティングパワー(の向上)は、半導体製造のプロセス技術(の進歩)に大きく依存している。だが、AI半導体に関するアメリカ政府の対中制裁が解除される見込みはなく、中国の半導体製造技術は長期にわたり(世界の最先端から)後れを取らざるを得ない。それはファーウェイが先進的なチップを作るための制約になる」(徐氏)

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