
中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)は9月18日、今後3年間に次世代のAI(人工知能)半導体を4種類投入すると発表した。ファーウェイが上海市で開催した技術系イベント「ファーウェイ・コネクト2025」で、輪番董事長(訳注:交代制の会長職。任期は6カ月)の徐直軍氏がロードマップを明らかにした。
具体的には、2026年1~3月期に推論処理向けの「昇騰(Ascend)950 PR」、同年10~12月期にAI学習向けの「昇騰950 DT」、2027年10~12月期に汎用AI処理向けの「昇騰960」、2028年10~12月期に同じく「昇騰970」を順次リリースする計画だ。
AI演算能力を毎年倍増へ
「コンピューティング能力こそがAIの(性能を決定づける)カギであり、それはこれまでもこれからも変わらない。特に中国では、その重要性は一層大きい」
徐氏はそう強調し、ファーウェイはコンピューティング能力を毎年ほぼ倍増させることを通じて、中国が必要とするAIコンピューティング能力を安定的に提供することを目指していると述べた。
ファーウェイがこのタイミングでAI半導体のロードマップを発表したのは、同社の半導体開発において最大のボトルネックだった中国国内でのチップ製造能力の確保に一定のメドをつけたためとみられている。
(訳注:ファーウェイはアメリカ政府の制裁により、台湾積体電路製造[TSMC]に代表される海外の半導体受託製造企業が持つ最先端のプロセス技術を利用できない境遇にある)
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