ファーウェイが初の自社開発のAI半導体「昇騰910」を発表したのは2018年のことだ。その演算性能は、AI半導体の世界最大手であるエヌビディアの当時の主力チップを上回っていた。

だが、アメリカ政府が2020年9月に対ファーウェイ制裁を強化したため、同社は昇騰910の製造委託先を中国本土(の半導体受託製造企業)に移さなければならなくなった。
その後、ファーウェイのAI半導体開発はスローダウンを余儀なくされたが、2023年末には演算性能を引き上げた「昇騰910B」を、2025年初めには「昇騰910C」をそれぞれ投入した。
AIクラスターの開発推進
最先端のプロセス技術を使えないがゆえに、昇騰シリーズの演算性能はチップ単体ではエヌビディアに及ばず、消費電力も大きい。そのためファーウェイは、数百~数万基の昇騰チップを接続し、あたかも1台のコンピューターのように動作させる「スーパーAIクラスター」の開発を進めている。

例えば、2025年3月に発表した「Atlas 900 スーパーノード」は384基の昇騰910Cを接続し、最大300PFLOPS(ペタフロップス)という世界トップ級の演算能力を実現した。
(訳注:PFLOPSはコンピューターの演算能力を表す単位の1つで、浮動小数点演算を1秒間に1000兆回実行できることを意味する)
さらに、ファーウェイは2026年10~12月期に8192基の昇騰950 DTを接続できる「Atlas 950 スーパーノード」を投入する計画だ。その演算能力は、エヌビディアが2026年後半のリリースを予定しているAIクラスター「NVL144」の6.7倍に達する見込みだという。
(財新記者:張而弛)
※原文の配信は9月18日
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