ファーウェイ、次世代「AI半導体」の投入計画発表 中国国内のチップ製造能力確保に一定のメドか

✎ 1〜 ✎ 1622 ✎ 1623 ✎ 1624 ✎ 1625
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ファーウェイが初の自社開発のAI半導体「昇騰910」を発表したのは2018年のことだ。その演算性能は、AI半導体の世界最大手であるエヌビディアの当時の主力チップを上回っていた。

ファーウェイは自社製AIチップの性能不足を補うため、大規模AIクラスターの開発に力を注く。写真は同社の「Atlas 900 AIクラスター」(ファーウェイのウェブサイトより)

だが、アメリカ政府が2020年9月に対ファーウェイ制裁を強化したため、同社は昇騰910の製造委託先を中国本土(の半導体受託製造企業)に移さなければならなくなった。

その後、ファーウェイのAI半導体開発はスローダウンを余儀なくされたが、2023年末には演算性能を引き上げた「昇騰910B」を、2025年初めには「昇騰910C」をそれぞれ投入した。

AIクラスターの開発推進

最先端のプロセス技術を使えないがゆえに、昇騰シリーズの演算性能はチップ単体ではエヌビディアに及ばず、消費電力も大きい。そのためファーウェイは、数百~数万基の昇騰チップを接続し、あたかも1台のコンピューターのように動作させる「スーパーAIクラスター」の開発を進めている。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

例えば、2025年3月に発表した「Atlas 900 スーパーノード」は384基の昇騰910Cを接続し、最大300PFLOPS(ペタフロップス)という世界トップ級の演算能力を実現した。

(訳注:PFLOPSはコンピューターの演算能力を表す単位の1つで、浮動小数点演算を1秒間に1000兆回実行できることを意味する)

さらに、ファーウェイは2026年10~12月期に8192基の昇騰950 DTを接続できる「Atlas 950 スーパーノード」を投入する計画だ。その演算能力は、エヌビディアが2026年後半のリリースを予定しているAIクラスター「NVL144」の6.7倍に達する見込みだという。

(財新記者:張而弛)
※原文の配信は9月18日

財新編集部

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事