中国EV小鵬汽車、「AI半導体を独自開発」の胸算用 新型SUVに初搭載、エヌビディア製など置き換え

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小鵬汽車は新型SUV「G7」の最上位グレードに独自開発のAI半導体を搭載した。写真はG7の発表会(同社ウェブサイトより)

中国の新興EV(電気自動車)メーカーの小鵬汽車(シャオペン)は7月3日、「AI(人工知能)カー」を標榜する新型SUV「G7」を発表。その最上位グレードに、自社設計のAI半導体「図霊(チューリング)」を搭載すると明らかにした。

G7には標準仕様の「Max(マックス)」、Maxの長航続距離版、上位仕様の「Ultra(ウルトラ)」の3グレードがある。そのうちUltraは図霊チップを3基搭載し、総合的な実効演算能力は2250TOPS(訳注:1TOPSは毎秒1兆回)に達するという。

高いハードルにあえて挑戦

自動車のスマート化が急速に進む中、高い演算性能を持つ車載AIプロセッサーの重要性は高まる一方だ。現時点ではアメリカのエヌビディア製やクアルコム製のチップが広く採用されているが、中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)やAIスタートアップの地平線機器人技術研発(ホライゾン・ロボティクス)なども独自チップを開発している。

AI半導体の開発には高度な専門人材と莫大な研究開発費が必要であり、自動車メーカーが自ら手がけるのはハードルが高い。そんな中、リスクを承知で独自チップの開発に踏み込んだ小鵬汽車は異例と言える。

「わが社は(図霊チップの)研究開発費用としてすでに数十億元(1元=約20.2円)をつぎ込んだ」。小鵬汽車の何小鵬・董事長兼CEO(会長兼最高経営責任者)は、G7の発表会でそう述べた。

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